「初対面だと会話が続かなくて気まずい」
社会人にとってコミュニケーションをとるべき相手とは上司や同僚、取引先などなど……。
人間関係を良好にたもつため、会話・雑談が大切なのはわかっていつつ、うまくいかないこともありますよね。
スマートフォンが全盛となり、リモートワークの増加など対人コミュニケーションをとる機会は減少しています。
今回は対人関係を構築できないコミュニケーション障害(コミュ障)の人について焦点をあててみました。
男女別のコミュ障の特徴や、コミュ障あるある。克服するための会話術をお伝えしていきます。会話を自由に続けられるあなたの笑顔と、コミュ力UPをお約束します!
あなたのコミュ障レベルを診断
現代人に急増しているコミュニケーション障害。略して「コミュ障」といわれる人について10の特性をあげていきます。
3つ以上あてはまればあなたは「コミュ障」かもしれません。
- 仕事などで、内容を相手に説明はできても、質問をうけるのは苦手。
- まわりのひとに、自分から話しかけて雑談をすることがない。
- 会話中に言葉がうまくでてこない。どもりがち。
- ふつうに話しているつもりが、自然に相手を怒らせてしまう。
- 文章だと理解できる。会話だと内容が頭にはいってこない。
- 自分だけで完結する作業をしていると落ち着く。
- グループ内の会話では、つい周囲の顔色をうかがってしまう。
- 会話中「自分には関係がない」と思うことには関心をよせない。
- 想定していないことがおきたとき、状況に応じた行動がとれない。
- 家にいるときはだれとも連絡をとりたくない。引きこもり状態。
「けっこう自分にもあてはまるな」といった人もいるかもしれません。コミュニケーションにまつわる悩み。意外にも多くのひとが抱えているのです。
1.コミュ障女性の特徴
男性よりも口数は多い女性。「余計なひとこと」で人間関係をくずしてしまうのが女性型コミュ障の特徴。「コミュ障」の女性は、「共感」を優先する女性心理が背景にあります。
コミュニケーションがとれないというよりは、コミュニケーションのとりかたが「難あり」となるのです。
- 「自分のなかのルール」を相手におしつけてしまう。
- 「共感」「承認」を相手に強くもとめがち。
- 男性が話す「結論ありき」の会話を嫌悪する。
「普通は○○でしょ」といった言葉を多用するあなた。○○でないのが認められず、相手に説明ばかりもとめがち。一方的な会話のありかたに「感情的」とみられてしまうことも。
もちろんすべての女性がそうとは限りませんが、あまり感情が先立つ女性は、はからずも「コミュ障」のレッテルをはられてしまうことも。
共感のない結論に対しては、合理的であっても「ふに落ちない」のが女性。とくに相手がコミュ障の男性であれば、会話が堂々めぐりとなってしまうこともあるでしょう。
コミュニケーション自体が苦手な女性もいます。女性特有の「おしとやか」と混同されることも。主体性がなく、相手の言うなりになってしまうコミュ障女性も少なからずいます。
2.コミュ障男性の特徴
会話には結論をもとめる男性特有の心理から、会話のキャッチボールがうまくいかないコミュ障男性。
もともと「コミュ障」とはオタクな男性をさす、ネット上の俗語でした。「オタク文化」の独特な世界観と一般社会とのちがいをコミュニケーションの不全にあてたものです。
男性型のコミュ障とはどのようなものでしょうか。
- 会話の軸が常に自分にあり、相手に関心がないような振る舞いとなる。
- 相手の発言を「論破」したがる。共感がない。
- 情報範囲がせまく、興味のある内容でしか会話が展開できない。
寡黙な印象をもたれてしまう男性。話したくないというよりは「なにを話していいのかわからない」というところが大きいのです。
一方で、自分の興味範囲にハマれば多弁となることも。ある分野では負けたくないという執着。相手の言葉をおおいかぶせる「マウンティング」にでてしまい、人間関係を築けないこともあるのがコミュ障男性です。
コミュ障あるある
コミュ障の人はけっこう身近にいますよね。まんざらでもなく「なんか自分ってコミュ障だわ」と感じることもあるかもしれません。
コミュ障の「あるある」をあげていきますので共感してみてください!
コミュ障あるある 【会話編】
- 話す内容を事前に準備するが、思いどおりにいったためしがない。
- 会話を広げるようとするほど相手の動揺が気になり、あきらめる。
- 話すタイミングがかぶったときの、気まずさが耐えがたい。
- しゃべり過ぎた日は、失言していないか気になってひとり眠れず反省会。
- 初対面の会話で自分を最高にアピール。あとで自虐的になる。
ふたりきりになるとなにを話していいかわからなくなるのがコミュ障の人。まして初対面での会話は大の苦手。
職場や学校では日々おなじメンバーと顔をあわせます。うちとけるのに時間のかかるコミュ障本人にとっては、ツラくてたまらない日々。
ときに登校拒否や転職の動機となります。
コミュ障あるある 【グループ編】
- 一足先に集合場所につくが、ひとまず遠くから様子をうかがう。
- 話し合いの場でなにか一言と思い、変なタイミングで話しだす。
- だれも自分の話には興味がないと思っている。興味をもたれても困る。
- 自分のそばに座っている人がかわいそうだと感じる。
- なに考えてるかわからないと言われるが、本当になにも考えていない。
会議の場では、あらかじめ用意した定型文をのべるのに精いっぱいなのがコミュ障の人。まして討論やグループワークは超苦手。勢いで話してもそこから先は展開しません。
コミュ障あるある 【態度編】
- 他人の目が気になりすぎ。怪しい動きをしてしまう 。
- 意味もなくスマホのホーム画面をスライドする。
- 会話がなくなったとき、わざとあくびがでるふりをする。
コミュ障の人の特徴としてあげられるのが「自意識過剰」。
人にどう見られているか、どう思われているかを意識しすぎているため、異常なほどの不安感にかられることも。
不安定な心理が、ちょっとした行動にあらわれるのです。
コミュ障あるある 【すれちがい編】
- 知り合いをみつけるとわざと視線をはずす。ガン見されると気まずい。
- 下を向いて歩くのに慣れすぎ。気配だけには敏感なのでぶつからない。
- 乗り合わせたエレベーターでの沈黙が地獄。むしろ階段をえらぶ。
好意をよせている人に対して、あえて距離をとってしまうのもコミュ障の人。
好きなのですが「どう接してよいかわからない」ため、つい避けてしまったり目をそらしてしまったりする心理です。
実は“ツンデレ”タイプとは、コミュ障の一種なのかもしれません。
コミュ障あるある 【努力編】
- 「コミュ障を克服する話しかた」みたいな本を読んで実行する。
- 愛想笑いだけはがんばろうとするが、下手すぎてかえって不自然。
- あいさつの声量だけは一人前。
コミュ障の人は失敗をおそれるがゆえ、ひと一倍慎重派です。
イケイケでものごとに取り組むよりは、安心・安全を手にすることにコミュ障の特徴はうってつけ。コミュ障的なルーティーンは決してダメというわけではないのです。
コミュ障あるある 【友達編】
- 「わたし人見知りなんだよね」という人にとんでもなく親近感がわく。
- 自分よりも人見知りな人に対してはよくしゃべる。
- コミュ障どうしが集まると質問の応酬になる。結局つかれる。
コミュ障といえども、だれひとり話さないというわけではないですよね。
学校時代から続く友達は少数、もしくはひとりもいないことも。ただし、類は友を呼ぶといったように、ある一面で共通項をみつけた相手とは限定的にコアな関係となります。
あくまで趣味の範囲でのおつき合い。お互いのプライベートのことはあまり知らないことも多いです。
コミュ障あるある 【お店編】
- 「店員さんを呼ぶ」ハードルが高い。手をあげたまま来てくれと願う。
- 飲食店で顔を覚えられるといきにくくなる。
- 美容室はコミュ強の人がいくところと思っている。
ファミレスなどで呼び出しボタンがなければ、ひとなみはずれて焦るのがコミュ障の人。
勇気をふりしぼり「すみません」と声を出して店員をよぶものの、本当にすまないと思いこんでいます。
コミュ障直しかた! 会話が長く続く方法
勇気をだして会話をしても続かないことが多いコミュ障の人。
まず「会話を続ける方法」を身につけることが「コミュ障」を克服する大きなカギです。とにかく会話は「ラリー」を続けること。
ここでは会話を続けるコツ・方法を5つのポイントにしぼってお伝えしていきます。
1から5まで、徐々に難易度はあがっていきますが、まずは気軽に実践してみることが大切です。
参考:「雑談の一流、二流、三流」桐生稔 著
この書籍は、中田敦彦さん(オリエンタルラジオ)がご自身のYou Tubeチャンネル『中田敦彦のYouTube大学』でも紹介していた書籍。書籍では、具体的な実践方法が、40以上に小わけされて実例つきで紹介されています。
1.会話の焦点を「相手」にむける
あなたからみて話題の矢印をあくまで「相手」にむけることで会話が続きます。
相手の興味はどこにあるでしょうか。
いまの天気や時事ネタ、好きなアーティストのことかもしれません。しかし相手にとってもっとも興味があり話しやすいのは「自分のこと」です。
お互いが相手に矢印をむけて関心をよせてくれるほど会話が続くようになるのです。
どのように話したらよいでしょうか。
△「きのうの夜は大雨でしたね。きょうはうってかわって晴れるらしいですよ」「むし暑くなりそうですね」……(終了)
〇「昨日は大雨でしたね。眠れましたか」「雨音はすごかったですが、なんとか眠れましたよ」「よかったですね。今日は暑くなりそうです。夏バテとか大丈夫ですか」……(続く)
天気の話からはじまりましたが、「続く会話」とは、話題の矢印が相手のほうにむいていることがわかりますね。
もっといえば、相手がそのときに感じたことなど「気持ち」がのったやりとりをおこなうとよいです。
先ほどの会話でも「眠れるとスッキリしますね」「睡眠時間がとれないと翌朝グッタリ」のような「気持ち」をやりとりするとさらに発展しやすいのです。
体験談やエピソードがあれば「気持ち」をのせやすいでしょう。
2.あいさつに続いて「ふたこと」つけ加えてみる
相手に向けた「あいさつ」は最初のコンタクト。ここに言葉を添えることで会話の導入がスムーズにいきます。
あいさつだけで終わるのはダメというわけではありませんが、相手への関心をのせることで、コミュ障であったあなたの印象はガラッとかわってくるのです。
△「おはようございます」
「きのうのプレゼンおつかれさまでした」
よくある朝のあいさつ。さらにもう一言添えると違いがでてきます。
〇「おはようございます」
「きのうのプレゼンおつかれさまでした」
「とてもわかりやすかったですね。まとめるの大変だったでしょう?」
会話のスタートは「先手」をうつこと。相手に矢印を向ける。相手のうける印象がまったく違ってきます。
あいさつのあとにあるふたつの空欄をうめるよう意識してみることです。
3.相手のビフォーアフターを「ほめる」
相手の容姿などではなく成果に着目して「ヨイ出し」してあげましょう。
相手のよいところをピックアップしてあげると会話が広がっていきますね。
「相手のなにをほめてよいかわかりません」というコミュ障の人。
「髪型かっこいいですね」などと、あまりおもってもいないことで相手を持ち上げるのも疲れますよね。こびを売るような言動は相手にも伝わります。
「いまハマっていることはなんですか?」という切り口で質問してみる。いつからハマって、いまどんな取り組みをしているのかを聞き出す。なければ仕事の取り組みでもなんでもよいです。
いまに至るまでの成果に着目。「すばらしいですね」という言葉をおくってみましょう。ムリなく相手をほめるコツです。会話をうまく展開できます。
4.30秒以内に話を相手に返す
雑談では、自分の話を延々とするのはNG。おおむね30秒程度で切り上げて、相手にボールを返しましょう。
人は興味のない話をきくと、30秒程度で集中力が低下するといわれています。
もちろん相手のリクエストがあれば、しっかり話をすべきです。雑談とは本来会話のラリーであることは忘れないでおくべき。
コミュ障の人は焦って話さなくてもOK! 30秒以内に「えーもう一度お願いします」と聞いて返す。
話す内容よりテンポを意識してみるだけで、なんとなくコミュニケーションがとれているのを実感します。
5.自分の役割をみきわめる
仕事やプライベートにおいて交流の機会である「飲み会パーティ」。
会話力がもろにでます。コミュ障にとってはもっとも避けたい場ですが、いまいちど参加してみましょう。
飲み会にはかならず、
- 話のネタを提供する「目立つ人」
- 「聞き役の人」
- もうひとつ全体をみわたして場をコントロールしている「回す人」
の三役がいるはず。周囲をよく観察してみるとわかります。
コミュ障の人は自分のことを「聞き役」が適任と考えがち。
自分の果たす役割をこなすことに専念するのもよいのですが、会話が怖くなくなったあなたは、もうひとつ上をめざしてみましょう。
メンバーがとの役割を果たしているのかをみきわめ、不足している役割をみずからかってでるのです。
不思議なことに役割をになうと全体がうまく機能するのを実感します。
これまで飲み会後に「ひとり反省会」をしていたあなたとは違う自分になっているはずです。
まとめ
コミュニケーション障害(コミュ障)の人について特徴や「あるある」、会話を続ける視点やコツを身につけることで、コミュ障を克服する5つの方法もお伝えしてきました。
- 会話の焦点を「相手」にむける
- あいさつに続いて「ふた言」つけ加えてみる
- 相手のビフォーアフターを「ほめる」
- 30秒以内に話を相手に返す
- 自分の役割をみきわめる
「コミュ障」とは、なにか特別な状態をさすものではなく、多かれ少なかれ人間関係に悩む社会人が実感していることでもあります。
場合によっては、自閉症などの発達障害が隠れていることも。脳の器質的な問題ですので、「コミュ障」とひとくくりにしてしまうのは危険といえます。
会話・雑談を続ける力とは、あなた自身のコミュ障克服でもありますが、相手のコミュ障をフォローしてあげられることにもつながるのです。
この記事をよんだあなたが「会話」におくすることなく、いきいきと過ごせるようになれればうれしいです!