誰しもが少なからず持っている承認欲求。そんな承認欲求がなかなか満たされない……と、お悩みのかたもいるかもしれません。
今回は自分の力で承認欲求を満たす方法や、自己肯定感を高める方法について徹底解説します。
承認欲求の高い人は、モチベーションが上がりやすいなどの意外なメリットも! 周りの人の承認欲求を満たす方法も紹介しますので、ぜひ活用して親睦を深めていきましょう。
承認欲求とは?
承認欲求は、「他者に認められ、評価されたいという欲求」のことを示します。
一般的に承認欲求というとこの意味を指しますが、さらにこまかくわけると以下のふたつの承認欲求が存在しているのです。
- 他者承認
- 自己承認
他者承認
他者承認とは、他者から認められたいという承認欲求のことをいいます。
- 他者から自分の才能を認められたい
- 周りの人から尊敬されたい
- 名声を得たい
個人によって程度は異なりますが、人間は誰しもこのような欲求を持っております。
人から評価されたいという気持ちがあるからこそ、努力ができて結果を出せるのです。
自己承認
自己承認とは、自分で自分を認めたいという欲求のことをいいます。
- 自分はすぐれている
- 自分にはよいところがある
- 自分はできる人間だ
他者承認と同じように、自己承認も誰しもが持っている欲求であるといえます。
このように自分をよく評価することで、自己肯定感や自信を持つことにつながるのです。
あなたの承認欲求度を診断
あなたの承認欲求度は、どのくらいなのかチェックしてみましょう。
以下の10の質問に当てはまれば当てはまるほど、承認欲求度が高いといえます。
- いつも他人の評価が気になる
- SNSはよく利用するほうだ
- 自分について質問されることは好きだ
- 自分に自信がない
- できる限り昇進してみたい
- 人気者をみるとつい嫉妬してしまう
- 周りの人は本当の自分をわかっていないと思う
- トレンドはすばやくキャッチする
- すぐ人が恋しくなってしまう
- よくわざと変なことをいってみたくなる
承認欲求4つのメリット
承認欲求を持つことや承認欲求が高いことには、自分のやる気や昇進につながるメリットがあるといえるでしょう。
- 自己肯定感がUP
- モチベーションも上がる
- 仕事のクオリティUP
- 報酬が上がる
1.自己肯定感がUP
承認欲求が強いほど、他人に認めてもらったときの自己肯定感もよりいっそう強くなります。
自己肯定感があれば自分に自信がつき、精力的な活動ができるようになります。
つまり承認欲求を満たすことで、自分の力を最大限に引き出すエネルギーを生み出せることでしょう。
2.モチベーションも上がる
承認欲求が強ければ、モチベーションを上げやすいというメリットもあります。
評価されるというトリガーが必要なものの、それさえ満たせば強い「やる気」を持ってものごとに取り組めることでしょう。
才能以上のポテンシャルを期待できる人であるともいえます。
3.仕事のクオリティUP
承認欲求を満たせれば、仕事のクオリティを上げられるのもメリットのひとつです。
承認欲求が強いと「人から評価されたい」という想いを原動力に、自然と丁寧な仕事を心がけられます。
また無理にがんばるのではなく「明確な目標を持って動く」ため、長期的に努力でき苦になりにくい点も魅力的でしょう。
4.報酬が上がる
承認欲求が高いことは、最終的に報酬が上がる点へつながっていきます。
高いモチベーションで丁寧な仕事をしていけば、少しずつ周りから評価されていきます。
結果として高いポストにつけたり給料が上がったりするなど、具体的な成果が実現できることでしょう。
そして実現した成果によってさらに承認欲求が満たされ、あらたなエネルギーが生み出されます。
そのエネルギーをもとにさらに努力する……といった、「よいサイクル」も期待できることでしょう。
承認欲求4つのデメリット
承認欲求を持ちすぎたり高すぎたりすると、気分屋になりすぎたり自己中心的に思われたりというデメリットがあります。
- 気分にムラがでる
- 友達が離れていく
- 誤解される
- お願いされると断れない
1.気分にムラがでる
承認欲求はなかなか人に認められないと、気分が上がりにくいという難点も。
また気分が乗らないと思うように力も発揮できなくなるため、悪循環に陥りがちです。
人からの評価だけを求めるのではなく、自己承認をしていくことでやる気を引き出すとよいでしょう。
2.友達が離れていく
承認欲求が強いと、ついつい「自分をほめてほしい」「自分にかまってほしい」というアピールをしてしまいがちです。
アピール自体が悪いことではないのですが、やりすぎると友達の気持ちが離れてしまうことも。
自分の発言にはなるべく注意し、ときおり振り返ってみることも大事といえるでしょう。
3.誤解される
人からの評価を求めすぎてしまうと、「この人は自分のことしか考えていない」とわがままに誤解されてしまうこともあります。
つい自分の話ばかりしてしまう、人にはなるべくかまってほしいという人は、とくに要注意。
他者承認だけでなく自己承認でおぎないつつ、冷静に周りを観察できるよう少しずつ練習をしていきましょう。
4.お願いされると断れない
承認欲求の強い人は、人から評価されたいがために「お願いを断れない」という特性も持っています。
ときにその期待を背負いすぎて、自分の心の負担となってしまうことも。
本当にそのお願いをやる余裕があるのか、自分とよく相談することが大事です。また場合によっては「お願いを断ること」が、「相手のためになるときもある」ことを覚えておきましょう。
承認欲求満たされない人が急増中
実は近年、「承認欲求が満たされない」という人が急増しているのです。
SNSで「承認欲求 満たされない」と検索すると、毎日多くの投稿が見つかります。
求める形は数あれど、満たされなさを感じている人が非常に多いことがわかるでしょう。また2019年にTake Actionがおこなった調査では、「ビジネスパーソンのふたりにひとりが、会社内で承認欲求が満たされていないと感じている」と発表されています。
思うように評価がもらえなかったり、給与に不満を感じていたりと理由は多くあります。
現代の人々は、さまざまな形で「承認欲求に悩む世代」だといえるでしょう。
出典:PR TIMES
承認欲求満たされない彼氏彼女との恋愛は疲れる
恋愛における承認欲求はうまく満たされないと、信頼関係にヒビが入る可能性もあります。
認めてほしいがために束縛してしまったり、過剰に依存してしまったり……そのような関係になってしまうと、互いに疲れてしまうことでしょう。
お互いの心地のよい距離感を確認することや、互いの求めるものを理解しあうことはとても大事なことです。
承認欲求を満たされない人が増えた3つの理由
承認欲求を満たされない人が増えたことには、近代になって変わった社会的なものが背景にあります。
- 時代の変化
- SNSの交流
- 家族関係の変化
1. 時代の変化
現代にはインターネットの普及やグローバル化など、社会にさまざまな変化が起きました。
そのなかでも権利の向上や思想の変化に基づいた、「個人への注目」が深く関わっています。
つまり現代は以前よりも、個人が持つ能力や考え、自己アピールが大切になっているのです。
そのように自分をアピールできるようになり、なおかつ自分にかかる価値が明確になったがために、他者の承認を確認せずにはいられなくなったといえます。
2. SNSの交流
現代にはSNSが爆発的に流行し、今や非常に多くの人がさまざまなサービスを利用しています。
SNSは共有やいいねなど、人の反応を可視化していることが特徴です。
つまり承認を得られているかどうかを確認できるようになったと同時に、「常に否応なく自分への評価をみること」になりました。
常に評価が見えるため、人は自分への反応を意識してしまいがちになったともいえるでしょう。そして少しずつ承認欲求が増幅されていき、より多くの反応をもらいたいと思うようになるのです。
3. 家族関係の変化
現代には景気や家族形態の関係で、共働きの世帯が増えています。
共働きの家庭では、どうしても子供が親とふれあう時間や機会が減ってしまいます。そのため人からの愛情に飢え、親の代わりに誰かに愛されたいと思うようになるのです。
承認欲求を満たす方法(自分編)
承認欲求を満たすためには、まずは心がけを持つこと、「こういう考えかたもある」という知識や方法を知ることが大切です。
- 承認欲求は持ってもいいと知る
- ピグマリオン効果
- ラベリング
- 自分自身をほめてあげる(自己承認)
- アファメーションテクニックを使う
承認欲求は持ってもいいと知る
承認欲求は誰もが持っているもので、誰もが持ってもよいものともいえます。
承認欲求を持つというと、「かまってちゃん」や「わがまま」なのでは……と不安になるかもしれません。しかし誰しもが自然に持っている欲求のため、無理におさえるとかえって自己肯定感が阻害される可能性もあるのです。
さらに承認欲求には、先に述べたようにモチベーションが上がるなどのメリットもあります。
こうしたことを踏まえ、まずは「自分を認めてあげる」こと、「承認欲求は持ってもよいと認める」ことが大事です。
ピグマリオン効果
ピグマリオン効果とは、「他人からの期待を受けるとよい成果を期待できるようになる」という効果のことをいいます。
これはアメリカの教育心理学者・ローゼンタールによって行われた、とある実験から見られたものです。
簡単に実験を述べると、「教師が生徒へ期待を持って指導をした結果、実際に生徒の成績が向上した」というもの。
このように実際に誰かから期待をしてもらうのもよいといえますが、「自分で自分に期待をする」のもよいといえるでしょう。
つまり自分の承認欲求を自分自身の力で満たし、やる気を上げていくことです。自信を持ってものごとを進めることで、万全のパフォーマンスを発揮していきましょう。
ラベリング
ラベリングとは、「自分はこういう人間だ」と決めつけることをいいます。
決めつけというとあまりよいイメージはないかもしれませんが、この決めつけは自身への自己暗示に役立つ有用なものといえます。
「自分は明るい人間だ」といった「なりたいイメージになれると信じる」ことによって、自然とそうなれるよう働きかけられるのです。
自己暗示するだけでなく、ほかの人に決めつけてもらうのもよいでしょう。
自分自身をほめてあげる(自己承認)
承認欲求を満たすには、自分で自分をほめてあげることも重要といえます。
他人に認められるまで我慢するのではなく、自分で自分を鼓舞することによって、活力を見出すのです。
自分のよいところを紙に書きだす、人に言われたことのある自分の長所を思い返すなど、具体的な行動をしてみしょう。
自分で自分をほめることは恥ずかしいことでなく、むしろとてもよいことです。
自分を大事にできる人は、人にも積極的にやさしくできることでしょう。
アファメーションテクニックを使う
アファメーションテクニックとは、「自分自身への肯定的宣言」とも言い換えられます。
「自分は~をする」「自分ならできる」などのポジティブな言葉を自分自身に宣言することで、やる気や実現性を高める手法です。
1日に2回、朝と夜におこなうのが理想的とされています。
またはっきりと目標ややりたいことを盛り込んで、宣言を具体的にするとより効果的です。
承認欲求を満たす方法(他者編)
他者の承認欲求を満たしてあげるために、まず基本的なことがあります。
これらをまず踏まえたうえで、相手の立場や場合によって対応を調整しましょう。
- その人をよく観察する
- 何をしてほしいのかを読み取る
- 適度にほめる
- 話をしっかりと聞く
- 「気にかけていること」をはっきりアピールする
- 存在感を肯定する
彼氏彼女の承認欲求を満たす方法
彼氏や彼女の承認欲求を満たすには、まず聞き上手になりましょう。
ゆっくりと話を聞いてあげることで、「興味を持っていること」を明確にアピールすることが重要です。
自分から相手のことをわかろうとする気持ちも、大切なポイントとなります。また恋人として、こちらから甘えたり頼ったりすることもよいでしょう。
「相手のことを必要としている」と示すことで、気持ちを満たしてあげると良好な関係を築けます。
友達の承認欲求を満たす方法
友達の承認欲求を満たすには、まずこちらから歩み寄ることが大事です。
相手の話をしっかりと、じっくりと聞くことで理解を示しましょう。しかし歩み寄りすぎるとかえって依存を招いてしまうので、程度を加減することもお互いにとって大切なことです。
自分のためそして相手のためにも、ときには注意をすることも肝心です。
子供の承認欲求を満たす方法
子供の承認欲求を満たすには、まずは気持ちをしっかりと受け止めることからはじめましょう。
ほめるときはほめ、叱りすぎないことが大切です。しかし、ほめすぎるとよくない影響を及ぼすため、状況や場合をよくみて必要なときにだけほめることも重要といえるでしょう。
その代わりよいことをしたときにははっきりとほめ、心を満たしてあげるとよいでしょう。
高齢者(家族)の承認欲求を満たす方法
高齢者の承認欲求を満たすには、頼れるときに頼ることが重要です。
高齢者に対してはつい遠慮をしてしまいがちですが、子供や孫に頼ってもらうことは高齢者にとって大きなよろこびになります。
ある程度は遠慮をせずに、思い切って頼ったり甘えたりしてみましょう。
年長者としてのプライドが保たれ、満足してくれることでしょう。
職場の同僚の承認欲求を満たす方法
職場の同僚の承認欲求を満たすには、ほめ言葉と感謝を忘れないことが重要です。
何かをしてもらったときやふとした瞬間に、はっきりと感謝の言葉をかけるとよいでしょう。
とくに「○○さんのおかげで~」などの功績をたたえる言い回しにすると、より肯定感を高められることでしょう。
まとめ
承認欲求を満たすためには、自分と向き合い積極的に自己肯定感を高めることが重要です。
自分の欲求を恥じることなく、少しずつ自分を信じていきましょう。
以下の点をおさらいしておきましょう。
- 承認欲求はふたつの種類にわけられる
- 他者承認は他人から認められたいという欲求
- 自己承認は自分で自分を評価したいという欲求
- 自己肯定感が上がる、モチベーションが上がるなどのメリット
- 気分にムラが出る、誤解されるなどのデメリット
- 近年承認欲求の満たされない人が増えている
- 恋愛関係において承認欲求が満たされないと疲れやすい
- 承認欲求が満たされない人は、時代や家族関係の変化によって生じた
- 承認欲求は持っていてもよい
- ピグマリオン効果で期待を受けるとよい結果に結びつく
- ラベリングで自分へよい決めつけをする
- 自己承認で肯定感を上げる
- アファメーションテクニックで自分に「できる」宣言をする
- 彼氏彼女へは聞き上手になり、ときに甘える
- 友達へは相手へ歩み寄り、こちらからわかろうとする
- 子供へは適切にほめ、気持ちを受け止める
- 高齢者へは遠慮せずに頼り、ときに甘える
- 職場の同僚へは感謝を忘れない
ぜひこの記事を参考にして自己と向き合い、また周りの人の助けとなっていきましょう。