「自分は絶対マインドコントロールにかからない」というあなた。本当にかかっていないといいきれるでしょうか?
実は日常生活のなかには情報や価値観、感情を巧みに操作するマインドコントールがあふれています。
なかには深刻な状況となる場合もあります。自己否定をしやすい若い人、自信がもてない人などはマインドコントロールにおちいりやすいともいわれていますよね。
マインドコントロールの方法や解きかたを知ることで、不必要なものを買ってしまうなどの悪意あるマインドコントロールは避けることができます。
ここではマインドコントロールの方法や対処法について、わかりやすくご紹介していきます!
マインドコントロールの方法・5つのやりかた
1.ターゲットと外界の接触を断つ
情報が遮断された密室に近い状況下において、ターゲットのもつ価値観や自信は、拘束時間が長くなればなるほど不安定になりやすくなります。
情報の遮断で不安な状態におちいるということは、すなわち受け取った情報は無条件に受け入れてしまう状況になるということです。
友人や家族に相談する機会が奪われ、いわば軟禁状態になること自体も正当化されます。
2.ターゲットの思考能力を奪いターゲットにしてもらいたいことを要求する
意図的にターゲットの考え方を徹底的に批判することで無力感や無価値観をつくりだします。
ターゲットが自己否定にさいなまれ、体と精神状態のバランスを崩すことで思考能力が低下。一方的な要求に従いやすい状況においこみます。
3.いろいろな選択肢をみせるが、最後は選んでほしい結論へ誘導する
心身ともに疲弊したターゲットは、何かにすがりたい、もしくはこの状況からのがれたいという気持ちに支配されるため、苦境からのがれる手段はひとつしかないといった思考におちいります。
ターゲットに対していろいろな選択肢をみせるが、意図する状況(目的の商品を購入する、団体に所属するなど)が最善の選択であることを徹底的に導く状況となります。
4.情報をコンパクトにしてくり返し刷り込む
画一的な思考におちいったターゲットに対して、断片的でわかりやすい、フレーズ(情報)をくり返し刷り込むことで、「選択が間違っていない」という認識を固める段階となります。
たとえば「これも家族のため」など動機にふれることで、この選択に矛盾がないという確信をつくりだすことになります。
5.自己否定感を埋める
当初、ターゲットが抱いていた(抱かされていた)自己否定感も、意図する選択をしたことに対して、一転して周囲が肯定感を埋めるとしましょう。
その結果、意図する選択が間違っていないという認識を固定化させます。
追い込まれたなかで受ける周囲のやさしさ、安心感は、ターゲットに爽快感もって「居心地のよい環境」との認識をもたらし、さらにその場への依存をもたらすことにつながります。
マインドコントロールの解きかた
自分を客観視する
肯定と否定を心のなかで唱えることで、客観的かつ冷静な思考ができるようになります。ひとつの選択・判断に対して肯定と否定を俯瞰的にながめている自分を意識することですね。
「~しなければならない」とおもいこんでいる自分をあえて疑ってみることが、結果的に人の悪意に対する適切な評価ができるようになり、マインドコントロールから自由になることができます。
いろいろな人の意見を聞く
自意識のコントロールが修正され、外からのコントロールをより客観的にみることができます。
多くの人の意見をとりいれることが大切となります。
マインドコントロールが固まりつつある状況では、人の意見を聞くことが何より難しくなるため、早めに意識して人と会い、意見をかわすことが重要となります。
人の意見に対して、正しい・間違いといった判断をすることは先送りし、まず「うなずく」ことを意識してみましょう。
二元論(善悪)で物事を判断しない
よいこと悪いことという二元論で生きている人ほどマインドコントロールを受けやすくなります。自分が「悪」に当てはまったときに、罪悪感をもち、自己否定感におちいりやすいためです。
ものごとには矛盾があることを受け入れ、善悪の二極ではなく、その中間もあることを意識してみることで、不必要なマインドコントロールを受けずにすみます。
そもそもマインドコントロールとは
自分の精神状態を制御すること。また、他人の精神状態にはたらきかけ、暗示をかけるなどして支配すること。
多くの場合、「他人を操る方法」のようにマイナスのイメージがつよいですね。
マインドコントロールの種類4つ
1.行動のコントロール
マインドコントロールにて画一的な行動が要求されている場合、組織や団体(宗教など)で禁止とした行動は制限されることとなります。
たとえば「〇〇肉をたべてはいけない」などです。禁止されている行動をしてしまうことは自己否定感をもつとともに、場合によっては組織から罰せられることもあるでしょう。
2.思想のコントロール
マインドコントロールは自己選択をうながすことで、その人の人生観・世界観・人間観の根底にかかわるため、思想信条に大きく影響します。
たとえば選挙を通じた政権維持をはかる目的で、マインドコントロール(情報操作)がつかわれることについては歴史が示すところですよね。
3.感情のコントロール
マインドコントロールは恐怖や不安、一方での安心感や承認欲求などの「感情のゆれ」が深く作用します。
マインドコントロールとは、感情の不安定さからのがれたいとおもう人の心理状況を意図的につくりだす方法といえます。
4,情報のコントロール
情報の遮断が正当化される状況になります。組織内部以外の情報はすべてが不必要なもの、有害なもの、侵略されるものいった極端な思考となる場合があります。
マインドコントロールにおいて、情報の遮断は大きな要素となります。
マインドコントロールとダブルバインドの違い
マインドコントロールは最終的にターゲット自身が選択することを仕向けるのに対し、ダブルバインドは選択をすることすらできない状況に追い込むというところに違いがあります。
ダブルバインドとは、二重拘束とも訳されるハラスメントの形態であり、命令者からふたつの矛盾した命令することで相手に選択肢をあたえず、過大なストレスを与え続ける状況のことです。
親子や職場などの上下関係でおこりやすい状況といえますね。
たとえば、上司が部下に対し、“命令に従わないと怒る。”命令に従わないのと同様に、部下自身が“自分で判断できないことについても怒る。”といった矛盾をもって相手を支配するような場合がダブルバインドです。
マインドコントロールと洗脳の違い
洗脳とは相手の思考を洗い流すといった表現である点では、マインドコントロールと同じようにとらえられることがあります。
洗脳はより強い権力のもと強制的にもちいられる方法といえます。
たとえば、社会主義国家が国民をまとめる国策としてもちいるといったイメージですね。洗脳の実行は、恐怖という感情や暴力による介入などの強制が背景にあります。
マインドコントロールと催眠の違い
マインドコントロールは自身の認識(顕在意識)の変容をもって、ひとつの方向にむかうもの。
一方催眠とは、相手を催眠状態へ導き、無意識(潜在意識)にはたらきかけて変容をはかるといったアプローチの違いとなります。
催眠には無意識が現実の行動に影響をもたらすという前提があります。
まとめ
マインドコントロールとは、最後は自分で決定して選択し判断するという意味では、普段日常おこなわれていることではあります。
それが意図的に導かれ悪用されてはなりません。
どういったかたちでマインドコントロールがおこなわれているかを知ることがとても重要となります。実際におこる心の動きを理解することで、悪意あるマインドコントールは未然に防ぐことができます。ぜひ参考にしてみてくださいね。